A1 A2 B1 B2 C1
Immer wieder Deutschのアートワーク。ヘッドホンをつけたダックスフント

ベンのドイツ語文法ガイド

A1からC1までのドイツ語文法を、日本語で体系的にまとめたリファレンスです。ポッドキャストと一緒に使えるように作りました。サイドバーから気になるトピックに直接移動することも、A1から順番に読み進めることもできます。

A1入門

0. アルファベットと発音(Alphabet und Aussprache)

ドイツ語はラテン文字に加えて ä, ö, ü, ß の4つの特殊文字を使います。

文字 発音のイメージ
ä 「エ」に近いが口を少し大きく開ける(例:Käse=「ケーゼ」)
ö 唇を丸めて「エ」と言う(日本語にない音。「ウ」の口で「エ」)
ü 唇を丸めて「イ」と言う(日本語にない音。「ウ」の口で「イ」)
ß 「ス」(ssと同じ発音。長母音・二重母音の後にのみ使われる)

発音のポイント(カタカナは目安です):

  • ei → 「アイ」(mein マイン=「私の」)
  • ie → 長い「イー」(Liebe リーベ=「愛」)
  • eu / äu → 「オイ」(neu ノイ=「新しい」)
  • w → 英語のvの音、「ヴ」(Wasser ヴァッサー=「水」)
  • v → 英語のfの音、「フ」(Vater ファーター=「父」)
  • z → 「ツ」(Zeit ツァイト=「時間」)
  • ch → e/iの後は喉の奥を摩擦させる柔らかい音(ヒの子音に近い)、a/o/uの後は喉を強くこする音(ich イヒ、ach アハ)
  • 語頭のsp / st → 「シュプ/シュト」(Sport シュポルト=「スポーツ」)
  • 語末の無声化: 語末・音節末の b, d, g はそれぞれ p, t, k の音になります(Tag ターク、und ウント、halb ハルプ、Kind キント)。ほぼすべての文に影響する重要なルールです。
  • 語末の -ig は「イヒ」と発音します(wichtig ヴィヒティヒ、zwanzig ツヴァンツィヒ)。ただし後ろに語尾が続くと硬い g に戻ります:wichtige ヴィヒティゲ。

日本語との大きな違いとして、ドイツ語はアクセント(強勢)が単語ごとに決まっている点に注意してください。多くの場合、最初の音節にアクセントが来ます。

1. 名詞と性(Nomen und Geschlecht)

これはドイツ語学習で最初にぶつかる壁です。日本語の名詞には性別の区別がありませんが、ドイツ語のすべての名詞は3つの性のどれかに属します:男性(der)、女性(die)、中性(das)。

性 冠詞 例
男性 der der Mann(男性)
女性 die die Frau(女性)
中性 das das Kind(子供)

重要なのは、性は名詞の「意味」だけで決まるわけではないということです。das Mädchen(少女)は意味的には女性なのに文法上は中性、というようなズレが普通に起こります。したがって、名詞は冠詞とセットで覚えるのが鉄則です。単語帳を作るときも「Mann」ではなく「der Mann」で覚えましょう。

完全な規則ではありませんが、参考になる傾向はあります:

  • -e で終わる語は女性であることが多い:die Blume(花)
  • -chen, -lein で終わる語(指小辞)は常に中性:das Mädchen(少女)、das Brötchen(小さいパン)
  • -ung, -heit, -keit, -schaft で終わる語は女性:die Zeitung(新聞)
  • -er で終わる「〜する人」を表す語は男性が多い:der Lehrer(教師)

ドイツ語の名詞は文中のどこにあっても常に大文字で書き始めます。これは性とは別のルールですが、非常に重要です:Tisch(机)、Auto(車)、Idee(アイデア)。

複数形

複数形の作り方は予測しづらく、名詞ごとに覚えるのが基本ですが、よくあるパターンはこちらです:

単数 複数 パターン
das Kind die Kinder +er
der Tisch die Tische +e
die Frau die Frauen +en
das Auto die Autos +s
der Apfel die Äpfel ウムラウト、語尾変化なし

ポイント:複数形の冠詞は性に関係なく必ず "die" になります。

2. 人称代名詞(Personalpronomen)

人称 代名詞 意味
1人称単数 ich 私
2人称単数(親しい) du 君・あなた
3人称単数 er / sie / es 彼・彼女・それ
1人称複数 wir 私たち
2人称複数(親しい) ihr 君たち
3人称複数 sie 彼ら
敬称(単数・複数共通) Sie あなた(丁寧)

ドイツ語には日本語の敬語のように、相手との関係性によって言葉遣いを変える仕組みがあります。du(親称)とSie(敬称)の使い分けは、日本語の「タメ口」と「敬語」の関係に近い感覚だと考えると理解しやすいでしょう。友人・家族・子供にはdu、初対面の人・目上の人・ビジネスの場ではSieを使います。迷ったらSieを使うのが無難です。

文中で敬称のSieは常に大文字で書きます。これにより、小文字のsie(彼女/彼ら)と区別できます。

例文:

  • Ich komme aus Japan.(私は日本出身です。)
  • Woher kommst du?(君はどこの出身?— 親しい間柄)
  • Er wohnt in Berlin, und sie wohnt in Osaka.(彼はベルリンに、彼女は大阪に住んでいます。)
  • Wir lernen Deutsch.(私たちはドイツ語を勉強しています。)
  • Woher kommen Sie?(どちらのご出身ですか?— 丁寧な言い方)

3. 現在形の動詞変化(Präsens)

ドイツ語の動詞は主語の人称と数に応じて語尾が変化します。日本語の動詞は人称によって形が変わりませんが(「食べる」は誰が主語でも「食べる」)、ドイツ語ではこの変化が必須です。規則動詞(弱変化動詞)は、不定形(例:machen=する・作る)から -en を取った語幹に、決まった語尾をつけます:

主語 語尾 machen
ich -e ich mache
du -st du machst
er/sie/es -t er macht
wir -en wir machen
ihr -t ihr macht
sie/Sie -en sie machen

例文:

  • Ich mache meine Hausaufgaben.(私は宿題をします。)
  • Du wohnst in Kyoto.(君は京都に住んでいる。)
  • Wir lernen Deutsch.(私たちはドイツ語を学んでいます。)

最重要の不規則動詞2つ

sein(〜である): ich bin, du bist, er/sie/es ist, wir sind, ihr seid, sie/Sie sind

haben(持っている): ich habe, du hast, er/sie/es hat, wir haben, ihr habt, sie/Sie haben

例文:

  • Ich habe einen Hund. Er ist braun.(私は犬を飼っています。その犬は茶色です。)
  • Wir sind müde.(私たちは疲れています。)
  • Hast du Geschwister?(君にはきょうだいがいる?)

語幹母音が変化する動詞

一部の強変化動詞は、duとer/sie/esのときだけ語幹の母音が変わります:

動詞 ich du er/sie/es
fahren(乗り物で行く) fahre fährst fährt
sprechen(話す) spreche sprichst spricht
lesen(読む) lese liest liest

例文:

  • Du sprichst gut Deutsch.(君はドイツ語が上手ですね。)
  • Er fährt jeden Tag mit dem Bus.(彼は毎日バスで通っています。)
  • Sie liest ein Buch.(彼女は本を読んでいます。)

4. 語順 — 定動詞第二位の法則(Verbzweitstellung, V2)

これはドイツ語の文構造を理解するうえで最も重要なルールです。日本語は動詞が文末に来る言語(SOV)ですが、ドイツ語の平叙文(メインの文)では、定動詞(活用した動詞)は必ず文の「2番目の要素」に来ます。これは2番目の「単語」ではなく、2番目の「意味のかたまり」という点に注意してください。

  • Ich lerne heute Deutsch.(私は今日ドイツ語を勉強します。)— 主語が最初
  • Heute lerne ich Deutsch.(今日、私はドイツ語を勉強します。)— 時を表す語句が最初に来ると、主語と動詞の位置が入れ替わる!
  • In der Schule lernen wir Englisch.(学校で、私たちは英語を勉強します。)— 場所を表す語句が最初でも同様に入れ替わる

つまり、文頭に何が来ても、動詞は常に2番目の位置を保ちます。これにより、ドイツ語は日本語のように文頭の要素を自由に選べる柔軟性を持ちながらも、動詞の位置という「アンカー」で構造を保っているのです。

面白いことに、この後A2で学ぶ「従属節」(weil, dass などで始まる節)では動詞が文末に来ます。これは日本語の語順(動詞が最後)にむしろ近い形なので、従属節の語順は日本語話者にとって直感的に感じられるかもしれません。

5. 格:1格(主格・Nominativ)と4格(対格・Akkusativ)

ドイツ語の名詞は、文中での役割に応じて冠詞の形が変化します。これを「格」と呼びます。日本語にも「は/が」「を」「に」「の」のような助詞があり、名詞の文中での役割を示しますが、ドイツ語では冠詞の形そのものが変化するという違いがあります。日本語の助詞をイメージのヒントにすると理解しやすいでしょう。

ドイツ語の格は伝統的に番号で呼ばれ、日本のドイツ語教材でもこの数字表記がよく使われます:

  • 1格(主格・Nominativ) — 主語(「〜は/が」に相当)
  • 4格(対格・Akkusativ) — 直接目的語(「〜を」に相当)

A1では、この2つの格を扱います。

定冠詞(英語のtheに相当)

格 男性 女性 中性 複数
1格 der die das die
4格 den die das die

変化するのは男性だけです:der → den。

不定冠詞(英語のa/anに相当)

格 男性 女性 中性
1格 ein eine ein
4格 einen eine ein

例文:

  • Der Mann sieht den Hund.(その男性はその犬を見ています。)— Mann=主語(1格)、Hund=目的語(4格)
  • Ich habe einen Bruder.(私には兄弟が一人います。)
  • Die Frau kauft das Auto.(その女性はその車を買います。)— dasは4格でも変化しない

6. 否定:nicht と kein

keinは名詞を否定するときに使います(「〜がない」「〜ではない」に相当)。変化のしかたはeinと同じです。

例文:

  • Ich habe keinen Hund.(私は犬を飼っていません。)
  • Das ist keine gute Idee.(それは良い考えではありません。)
  • Wir haben kein Geld.(私たちにはお金がありません。)

nichtはそれ以外すべて(動詞・形容詞・副詞・文全体)を否定します。通常は文末に置きますが、特定の語だけを否定する場合はその語の直前に置きます:

  • Ich verstehe nicht.(私は理解できません。)
  • Ich mag das nicht.(私はそれが好きではありません。)
  • Ich bin nicht müde.(私は疲れていません。)— 形容詞を否定するのでその直前に置く

7. 存在を表す es gibt(「〜がある/いる」)

es gibt は「〜がある・いる」を表す最も基本的な表現です。覚えやすい点が2つあります。形が一切変化しないこと(後ろが単数でも複数でも常に es gibt)、そして後ろに来る名詞は必ず4格になることです。

日本語では「ある」(無生物)と「いる」(生物)を使い分けますが、ドイツ語の es gibt にはこの区別がなく、どちらにも同じ形を使います。

例文:

  • Es gibt einen Supermarkt in der Nähe.(近くにスーパーがあります。)— einen:4格男性
  • In Berlin gibt es viele Museen.(ベルリンにはたくさんの美術館があります。)— V2ルールの実例:「In Berlin」が1番目に来るので、gibt が2番目を保ち、es がその後に続く
  • Es gibt keinen Kaffee mehr.(もうコーヒーはありません。)
  • Gibt es hier ein Restaurant?(この辺にレストランはありますか?)

sein との違いに注意してください。sein は「すでに話題に出ている特定のもの」がどこにあるかを言うときに使います:Der Supermarkt ist in der Nähe.(そのスーパーは近くにあります。)新しく何かの存在を持ち出すときは es gibt、すでに知っているものの位置を言うときは sein です。

8. 疑問文(Fragesätze)

Yes/No疑問文:動詞を主語より前に置く(動詞が文頭)。

例文:

  • Sprichst du Deutsch?(君はドイツ語を話しますか?)
  • Kommt er heute?(彼は今日来ますか?)
  • Habt ihr Zeit?(君たちは時間がありますか?)

W疑問文(疑問詞を使う文)— 動詞は2番目の位置のまま:

ドイツ語 意味
wer 誰
was 何
wo どこ
wann いつ
warum なぜ
wie どのように

例文:

  • Wo wohnst du?(君はどこに住んでいますか?)
  • Wann beginnt der Film?(映画はいつ始まりますか?)
  • Wie heißt du?(君の名前は何ですか?— 直訳「君はどう呼ばれますか」)

9. 所有冠詞(Possessivartikel)

所有冠詞(「私の」「あなたの」など)はeinと同じ変化をします:

代名詞 所有冠詞
ich mein
du dein
er sein
sie ihr
es sein
wir unser
ihr euer
sie/Sie ihr/Ihr

例文:

  • Mein Auto ist rot.(私の車は赤いです。)
  • Ich sehe deinen Hund.(君の犬が見えます。— 4格男性:dein → deinen)
  • Ihre Schwester wohnt in Hamburg.(彼女の姉妹はハンブルクに住んでいます。)
  • Unser Haus ist klein.(私たちの家は小さいです。)

10. 前置詞(Präpositionen、4格支配)

以下の前置詞は常に4格をとります:

für, durch, ohne, gegen, um

例文:

  • Das ist für dich.(これは君のためのものです。)
  • Ich gehe durch den Park.(私は公園を通り抜けます。)
  • Wir spielen ohne ihn.(私たちは彼なしでプレーします。)
  • Das Auto fährt um die Ecke.(その車は角を曲がります。)

11. 数字(Zahlen)

0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
null eins zwei drei vier fünf sechs sieben acht neun zehn

11〜19:elf, zwölf, dreizehn, vierzehn, fünfzehn, sechzehn, siebzehn, achtzehn, neunzehn

十の位:zwanzig(20), dreißig(30), vierzig(40), fünfzig(50), sechzig(60), siebzig(70), achtzig(80), neunzig(90), hundert(100)

重要な特徴: 2桁以上の数字は、日本語や英語と違い一の位を先に言います。「21」なら英語式の「twenty-one」ではなく、「1と20(ein-und-zwanzig)」という順番です:

  • 21 = einundzwanzig(「1と20」)
  • 34 = vierunddreißig(「4と30」)
  • 67 = siebenundsechzig(「7と60」)

最初は非常に混乱しやすいので、数字を聞き取る練習をするときはこの順番を意識しましょう。

eins と ein の違い: 単独で「1」と言うときは eins です(Wie viele? — Eins.=いくつ?—1つ)。名詞の直前では -s が落ちて不定冠詞と同じ形になります:Ich habe ein Buch("eins Buch" ではない)、Ich sehe einen Mann。

序数(1番目、2番目…)は2〜19までは-te、20以上は-steをつけ、その後形容詞と同じ変化をします:

  • der erste(1番目), der zweite(2番目), der dritte(3番目・不規則), der vierte(4番目)
  • der zwanzigste(20番目), der einundzwanzigste(21番目)
  • Heute ist der dritte Mai.(今日は5月3日です。)

12. 時刻の言い方(Uhrzeit)

  • Wie spät ist es? / Wie viel Uhr ist es?(今何時ですか?)
  • Es ist ... Uhr. — Es ist zehn Uhr.(10時です。)
  • 「半」の言い方に注意:ドイツ語のhalbは「次の時刻に向かって半分」という意味です。Es ist halb drei は日本語の感覚では「2時半」(3時に向かって半分=2:30)になります。日本語の「〜時半」は基準の時刻から半分進んだという意味なので、ドイツ語とは逆方向の発想である点に注意してください。
  • 15分刻み:Viertel nach drei(3時15分=「3時過ぎ15分」), Viertel vor drei(2時45分=「3時まで15分」)
  • 公式な場面(駅の時刻表など)では24時間表記を使います:Der Zug fährt um 14:30 Uhr.(電車は14時30分に出発します。)

13. 命令形(Imperativ)

指示・依頼・命令をするときの形です。相手が誰かによって形が変わります:

形 作り方 machen kommen sein(不規則)
du(親称) 動詞の語幹(-stを取り、しばしば語尾のeも省略) Mach! Komm! Sei!
ihr(親称複数) 現在形のihr形と同じ Macht! Kommt! Seid!
Sie(敬称) 不定形 + Sie Machen Sie! Kommen Sie! Seien Sie!

例文:

  • Mach die Tür zu!(ドアを閉めて!— duの相手に、カジュアル)
  • Kommt her, Kinder!(こっちにおいで、子供たち!— ihrの相手)
  • Seien Sie bitte pünktlich.(時間厳守でお願いします。— Sieの相手、丁寧)
  • Hilf mir bitte!(手伝って!)— e → i/ie の語幹変化はdu命令形でも保たれます:helfen → Hilf!, sprechen → Sprich!, lesen → Lies!
  • Fahr langsamer!(もっとゆっくり運転して!)— ただし a → ä の語幹変化は命令形ではウムラウトがつきません:fahren → Fahr!("Fähr!"ではない), schlafen → Schlaf!。学習者が非常によく間違えるポイントです。

14. 並列接続詞(Konjunktionen)

2つの主文をつなぐ接続詞で、語順に影響しません(それぞれの節で動詞は2番目のまま):

und(そして), aber(しかし), oder(または), denn(なぜなら), sondern(〜ではなく、否定文の後で使う)

例文:

  • Ich koche, und du deckst den Tisch.(私が料理をして、君がテーブルを準備してね。)
  • Er ist müde, aber er arbeitet weiter.(彼は疲れているが、仕事を続けています。)
  • Willst du Tee oder Kaffee?(紅茶とコーヒー、どちらが欲しいですか?)
  • Ich bleibe zu Hause, denn ich bin krank.(私は家にいます。なぜなら病気だからです。)— 注意:A2で学ぶweilと違い、dennは動詞を文末に送らない
  • Ich trinke keinen Kaffee, sondern Tee.(私はコーヒーではなく、紅茶を飲みます。)— sondernは直前の否定を訂正する

A2初級

1. 3格(与格・Dativ)

3格は間接目的語(「〜に」に相当)を表します。日本語の助詞「に」とほぼ同じ感覚で捉えられるので、日本語話者にとっては英語話者よりも直感的に理解しやすい格です。

格 男性 女性 中性 複数
1格 der die das die
4格 den die das die
3格 dem der dem den(+n)

注意:3格複数では、名詞自体にも-nがつきます(すでに-nで終わる場合を除く):den Kindern, den Frauen, den Männern。例外として、複数形が-sで終わる名詞にはつきません:den Autos("den Autosn"とは言わない), den Hotels。

不定冠詞・所有冠詞の3格:einem, einer, einem / meinem, meiner, meinem など。

例文:

  • Ich gebe dem Mann das Buch.(私はその男性に本をあげます。)
  • Sie schreibt ihrer Freundin einen Brief.(彼女は友人に手紙を書きます。)
  • Wir helfen den Kindern.(私たちは子供たちを手伝います。)
  • Er zeigt seiner Mutter das Foto.(彼は母に写真を見せます。)
  • Das gehört meinem Bruder.(それは私の兄のものです。)

コツ:両方の目的語が名詞の場合、ドイツ語では通常3格を4格より先に置きます:Ich gebe dem Mann(3格)das Buch(4格). ただし片方が代名詞の場合は、代名詞が先に来ます:Ich gebe es ihm.(私はそれを彼にあげます。)

常に3格をとる動詞

一部の動詞は、4格目的語がなくても3格目的語だけをとります:helfen, danken, gefallen, gehören, folgen, glauben, antworten

  • Das Auto gehört meinem Vater.(その車は私の父のものです。)
  • Ich glaube dir.(私は君を信じます。)
  • Das Essen gefällt mir.(この料理は気に入りました。— 直訳「この料理は私に気に入られる」)
  • Sie dankt ihrem Lehrer.(彼女は先生に感謝します。)

日本語の「〜に」を使う動詞(「〜に会う」「〜に感謝する」など)とドイツ語の3格動詞は必ずしも一致しないので、動詞ごとにどちらの格を取るか覚える必要があります。

2. 4格・3格の人称代名詞(Personalpronomen im Akkusativ und Dativ)

1格 4格 3格
ich mich mir
du dich dir
er ihn ihm
sie sie ihr
es es ihm
wir uns uns
ihr euch euch
sie/Sie sie/Sie ihnen/Ihnen

例文:

  • Ich sehe dich.(君が見えます。)
  • Kannst du mir helfen?(手伝ってくれますか?)
  • Er liebt sie.(彼は彼女を愛しています。)
  • Wir vertrauen ihnen.(私たちは彼らを信頼しています。)
  • Gib es mir, bitte.(それを私にください。)

3. 話法の助動詞(Modalverben)

話法の助動詞は、能力・許可・義務・願望などを表します。もう一つの動詞(本動詞)は不定形のまま文末に送られます。この「助動詞は2番目、本動詞は文末」という構造は、日本語の「〜することができる」「〜しなければならない」のように助動詞的表現が動詞の後ろにくる感覚とは逆になるので、意識して慣れる必要があります。

können(できる) müssen(しなければならない) wollen(したい) dürfen(してもよい) sollen(すべきだ) mögen(好きだ)
ich kann muss will darf soll mag
du kannst musst willst darfst sollst magst
er/sie/es kann muss will darf soll mag
wir können müssen wollen dürfen sollen mögen
ihr könnt müsst wollt dürft sollt mögt
sie/Sie können müssen wollen dürfen sollen mögen

例文:

  • Ich kann gut schwimmen.(私は泳ぐのが得意です。)
  • Du musst jetzt gehen.(君はもう行かなければなりません。)
  • Wir wollen nach Berlin fahren.(私たちはベルリンに行きたいです。)
  • Darf ich das Fenster öffnen?(窓を開けてもいいですか?)
  • Du solltest mehr schlafen.(もっと寝たほうがいいですよ。— やわらげた形:sollte)
  • Ich mag Schokolade.(私はチョコレートが好きです。— mögenは単独で使う、不定形は不要)

möchten —「〜したい・〜が欲しい」

möchten は文法的には mögen の接続法第二式(B1参照)ですが、実際には最初から独立した話法の助動詞として学び、使います。何かが欲しいことを丁寧に伝える標準的な表現で、買い物・カフェ・日常のお願いなど、あらゆる場面で頻繁に使います。

ich du er/sie/es wir ihr sie/Sie
möchte möchtest möchte möchten möchtet möchten
  • Ich möchte einen Kaffee, bitte.(コーヒーを一つお願いします。)
  • Möchten Sie etwas trinken?(何かお飲みになりますか?)
  • Wir möchten nach Wien fahren.(私たちはウィーンに行きたいです。)

wollen との違いに注意してください。Ich will einen Kaffee は文法的には正しいものの、ぶっきらぼうで要求がましく聞こえます。カフェでは Ich möchte を使いましょう。wollen が「〜したい(意志)」、möchten が「〜したいのですが(控えめ)」というイメージです。日本語の「コーヒーをください」と「コーヒーが欲しい」の距離感に近いと考えると分かりやすいでしょう。

「枠構造(Satzklammer)」と呼ばれる構造に注目してください。助動詞が2番目、不定形が文末に来て、文全体を挟み込む形になります:Ich kann heute leider nicht kommen.(残念ながら今日は行けません。)

4. 現在完了形(Perfekt)— 会話でよく使う過去形

Perfektは話し言葉で最もよく使われる過去表現です。habenまたはsein(活用形)+文末の過去分詞で作ります。

過去分詞の作り方

  • 規則動詞(弱変化):ge- + 語幹 + -t
  • machen → gemacht, spielen → gespielt, kaufen → gekauft
  • 不規則動詞(強変化):ge- + 語幹(変化することが多い)+ -en(個別に覚える必要あり)
  • gehen → gegangen, essen → gegessen, trinken → getrunken, sehen → gesehen

habenかseinか?

ほとんどの動詞はhabenを使います。seinを使うのは、移動・状態変化を表す動詞(gehen, fahren, kommen, aufstehen, werden, sein, bleibenなど)です。

例文:

  • Ich habe gestern Fußball gespielt.(私は昨日サッカーをしました。)
  • Wir haben einen Film gesehen.(私たちは映画を見ました。)
  • Sie ist nach Hause gegangen.(彼女は家に帰りました。)
  • Er ist um 7 Uhr aufgestanden.(彼は7時に起きました。)
  • Habt ihr das Buch gelesen?(君たちはその本を読みましたか?)
  • Ich bin gestern nach Hamburg gefahren.(私は昨日ハンブルクへ行きました。)— 移動動詞なのでsein
  • Sie ist lange geblieben.(彼女は長く滞在しました。)— bleibenは移動を表さないが例外的にseinをとる

5. 分離動詞(trennbare Verben)

ドイツ語には、前つづりが動詞本体から分離して文末に移動するタイプの動詞があります(現在形・過去形のとき)。ただし過去分詞では分離せず、ge-を挟んで一語になります。

よくある分離前つづり:auf-, an-, aus-, mit-, vor-, zurück-, ein-, weg-

  • aufstehen(起きる):Ich stehe um 6 Uhr auf.(私は6時に起きます。)
  • einkaufen(買い物をする):Sie kauft im Supermarkt ein.(彼女はスーパーで買い物をします。)
  • mitkommen(一緒に来る):Kommst du heute Abend mit?(今夜一緒に来る?)
  • anrufen(電話する):Ich rufe dich später an.(後で電話するね。)
  • 現在完了形ではge-が前つづりと語幹の間に入ります:Ich bin früh aufgestanden.(私は早く起きました。)

6. 3・4格支配前置詞(Wechselpräpositionen)

9つの前置詞は、意味によって3格にも4格にもなります:

an, auf, hinter, in, neben, über, unter, vor, zwischen

基本ルール:4格=動作・方向(「どこへ?」)、3格=静止した位置(「どこに?」)

  • Ich lege das Buch auf den Tisch.(4格 — 私は本を机の上に置きます:動作)
  • Das Buch liegt auf dem Tisch.(3格 — 本は机の上にあります:位置)
  • Er geht in die Schule.(4格 — 彼は学校に向かいます:動作)
  • Er ist in der Schule.(3格 — 彼は学校にいます:位置)
  • Sie hängt das Bild an die Wand.(4格 — 彼女は絵を壁に掛けます:動作)
  • Das Bild hängt an der Wand.(3格 — 絵は壁に掛かっています:位置)

7. 従属接続詞と定動詞後置(Nebensätze)

特定の接続詞は、その節の定動詞を文末に送ります:weil(なぜなら), dass(〜ということ), wenn(もし/〜するとき), obwohl(〜だけれども), da(〜なので)

この「動詞が文末に来る」語順は、実は日本語の語順に近いので、A1のV2ルールよりもむしろ覚えやすいと感じる人が多いです。

  • Ich bleibe zu Hause, weil ich krank bin.(私は病気なので、家にいます。)
  • Ich glaube, dass er Recht hat.(私は彼が正しいと思います。)
  • Wir gehen spazieren, wenn es nicht regnet.(雨が降らなければ、私たちは散歩に行きます。)
  • Sie ist glücklich, obwohl sie viel arbeiten muss.(彼女はたくさん働かなければならないけれど、幸せです。)

助動詞(muss)がある場合も、不定形の後ろ、つまり節の一番最後に来ることに注意してください。

8. 比較級と最上級(Komparativ und Superlativ)

  • 比較級:-erをつける → schnell → schneller(より速い)
  • a, o, u を含む1音節の単語の多くはウムラウトがつく:groß → größer, alt → älter
  • 「〜より」はalsを使います:schneller als das Auto

最上級には2つの形があり、文中での位置によって使い分けます:

形 使う場面 例
am + -sten 動詞の後に単独で置く(述語的用法) Der Zug ist am schnellsten.(電車が一番速い。)
der/die/das + -ste 名詞の前に置く(付加語的用法、形容詞語尾がつく) der schnellste Zug(一番速い電車)

この2つの混同は中級者に非常に多い間違いです。"Das ist am besten Restaurant" とは言えませんし、一般的な内容を述べたいときに "Der Zug ist der schnellste" とも言えません。

覚えておくべき不規則形:gut → besser → am besten, viel → mehr → am meisten, gern → lieber → am liebsten, hoch → höher → am höchsten。

例文:

  • Der Zug ist schneller als das Auto.(電車は車より速いです。)
  • Berlin ist größer als Hamburg.(ベルリンはハンブルクより大きいです。)
  • Im Winter ist es am kältesten.(冬が一番寒いです。)— 述語的用法
  • Das ist das beste Restaurant in der Stadt.(これは街で一番良いレストランです。)— 付加語的用法、名詞の前
  • Ich trinke gern Tee, aber lieber Kaffee.(紅茶も好きですが、コーヒーのほうが好きです。)

9. 再帰動詞(reflexive Verben)

多くのドイツ語動詞は、英語では不要な「自分自身に」という意味の再帰代名詞とセットで使われます。日本語にも「自分で〜する」というニュアンスがありますが、ドイツ語ではこれが動詞の一部として文法的に必須になっている点が特徴です。

1格 再帰代名詞(4格/3格)
ich mich / mir
du dich / dir
er/sie/es sich
wir uns
ihr euch
sie/Sie sich

例文:

  • Ich freue mich auf die Reise.(私は旅行を楽しみにしています。)
  • Er wäscht sich jeden Morgen.(彼は毎朝体を洗います。)
  • Interessierst du dich für Musik?(音楽に興味がありますか?)
  • Wir treffen uns um 8 Uhr.(私たちは8時に会います。)

すでに4格目的語がある文では、再帰代名詞が3格になることがあります:Ich putze mir die Zähne.(私は歯を磨きます。— 直訳「私は自分に歯を磨く」)

10. sein・haben・話法の助動詞の過去形(Präteritum)

会話ではPerfektが標準的ですが、sein、haben、話法の助動詞は、カジュアルな会話でもほぼ常にPräteritum(過去基本形)で使われます。

sein haben können müssen wollen dürfen sollen
ich war hatte konnte musste wollte durfte sollte
du warst hattest konntest musstest wolltest durftest solltest
er/sie/es war hatte konnte musste wollte durfte sollte
wir waren hatten konnten mussten wollten durften sollten

例文:

  • Ich war gestern krank.(私は昨日病気でした。)— カジュアルな会話では "Ich bin krank gewesen" とは言わない
  • Wir hatten keine Zeit.(私たちには時間がありませんでした。)
  • Ich konnte leider nicht kommen.(残念ながら行けませんでした。)
  • Sie wollte das Buch lesen.(彼女はその本を読みたがっていました。)

11. 分離動詞と非分離動詞(trennbare und untrennbare Verben)

すべての前つづり動詞が分離するわけではありません。非分離の前つづりは決して分離せず、過去分詞でも ge- がつきません:be-, ver-, ent-, er-, ge-, zer-, emp-, miss-

分離動詞(分離する、ge-がつく) 非分離動詞(分離しない、ge-がつかない)
aufstehen → Ich stehe auf. / aufgestanden verstehen → Ich verstehe. / verstanden
anrufen → Ich rufe an. / angerufen besuchen → Ich besuche. / besucht
mitkommen → Ich komme mit. / mitgekommen erklären → Ich erkläre. / erklärt

例文:

  • Ich verstehe das nicht.(私にはそれが理解できません。)— verstehenは分離しない
  • Ich rufe meine Mutter an.(私は母に電話します。)— anrufenは分離する:an...動詞...
  • Hast du das Formular schon bearbeitet?(その書類はもう処理しましたか?)— 過去分詞:bearbeitet、ge-なし

12. 指示代名詞と不定代名詞(Demonstrativ- und Indefinitpronomen)

dieser/diese/dieses(「この〜」)は定冠詞とまったく同じように変化します:

  • Dieser Mann ist mein Nachbar.(この男性は私の隣人です。)
  • Ich nehme diese Tasche.(私はこのバッグを取ります。)

よく使う不定代名詞:

代名詞 意味
man 人は〜(一般的な「人」、日本語の「〜するものだ」に近い)
etwas 何か
nichts 何も〜ない
jemand 誰か
niemand 誰も〜ない

例文:

  • Man spricht hier Deutsch.(ここではドイツ語が話されています。)
  • Ich habe etwas für dich.(君に何かあげるものがあります。)
  • Das kostet nichts.(それは無料です。)
  • Hat jemand angerufen?(誰か電話してきましたか?)

13. 本動詞としての werden(werden als Vollverb)

werden は後にB1で助動詞として登場します(未来形と受動態)。しかしそれ自体が「〜になる」という意味の非常によく使う本動詞でもあり、状態の変化を表します。

ich werde, du wirst, er/sie/es wird, wir werden, ihr werdet, sie/Sie werden

過去形(Präteritum):ich wurde, du wurdest, er wurde... — 現在完了:ist ... geworden(状態変化を表すのでseinをとる)

例文:

  • Es wird kalt.(寒くなってきました。)
  • Mein Bruder wird Arzt.(兄は医者になります。)— 注意:職業名の前に冠詞はつかない
  • Sie ist dreißig Jahre alt geworden.(彼女は30歳になりました。)
  • Wann wird das Wetter besser?(天気はいつ良くなりますか?)

sein との対比をしっかり身につけましょう。Es ist kalt は状態を表し(「寒い」)、Es wird kalt は変化を表します(「寒くなってきている」)。日本語の「〜だ」と「〜になる」の違いに対応していると考えると分かりやすいでしょう。

B1中級

1. 中域(Mittelfeld)の語順 — TeKaMoLo

V2ルールは動詞の位置を教えてくれます。では、動詞と文末の間にある要素はどう並べるのでしょうか。この部分をMittelfeld(中域)と呼び、ドイツ語には標準的な並び順があります。頭文字をとってTeKaMoLoと覚えます:

Temporal(いつ?)→ Kausal(なぜ?)→ Modal(どのように?)→ Lokal(どこへ?)

  • Ich fahre morgen(Te)wegen der Konferenz(Ka)mit dem Zug(Mo)nach München(Lo). (私は明日、会議のため、電車でミュンヘンへ行きます。)

ここで日本語話者には嬉しい発見があります。この順番は日本語の語順とほぼ同じです:「明日(Te)/会議のため(Ka)/電車で(Mo)/ミュンヘンへ(Lo)」。英語話者はこの並びがほぼ逆順になるため苦労しますが、日本語の感覚のまま並べればドイツ語として自然になることが多いのです。

その他の基本ルール:

  • 代名詞はTeKaMoLoの要素より前、中域の先頭に来ます:Ich habe dir gestern eine Mail geschickt.
  • 両方が名詞なら3格→4格の順ですが、4格が代名詞の場合は3格名詞より前に出ます:Ich gebe es dem Mann.
  • すでに話題に出ている情報(既知)が、新しい情報より前に来る傾向があります。
  • nicht は中域の後ろのほう、目的語の後に置きますが、否定する要素や文末の動詞要素よりは前に来ます:Ich fahre morgen nicht nach München.

例文:

  • Wir treffen uns um acht im Café.(8時にカフェで会いましょう。)— TeがLoより前
  • Er ist gestern wegen des Sturms nicht zur Arbeit gegangen.(彼は昨日、嵐のため仕事に行きませんでした。)
  • Sie hat mir gestern in der Pause davon erzählt.(彼女は昨日、休憩中にそのことを私に話しました。)— 代名詞が先、次にTe、そしてLo

これはあくまで標準の順序であり、絶対的な規則ではありません。強調したい要素は1番目の位置に引き出せます。まさにV2ルールが許している動きです:Morgen fahre ich nach München.(明日、私はミュンヘンへ行きます。)

2. 2格(属格・Genitiv)

2格は所有や密接な関係を表します(「〜の」に相当)。日本語の助詞「の」に近い感覚ですが、日常会話ではvon + 3格に置き換えられることも多くなっています。ただし読み書きやフォーマルな場面では依然として重要です。

格 男性 女性 中性 複数
1格 der die das die
4格 den die das die
3格 dem der dem den
2格 des der des der

男性・中性名詞は2格で名詞自体にも-sまたは-esがつきます(短い名詞は-esになりやすい):

  • das Auto des Mannes(その男性の車)
  • die Farbe des Himmels(空の色)
  • der Titel des Buches(その本のタイトル)

例文:

  • Das ist das Haus meiner Eltern.(これは私の両親の家です。)
  • Die Farbe des Autos gefällt mir.(その車の色が気に入りました。)
  • Wegen des Wetters bleiben wir zu Hause.(天気のせいで、私たちは家にいます。— wegenは2格をとる)
  • Trotz der Kälte gehen wir spazieren.(寒さにもかかわらず、私たちは散歩に行きます。— trotzは2格をとる)

2格をとる主な前置詞: wegen, trotz, während, statt, außerhalb, innerhalb

話し言葉での代用: Das Auto von meinem Vater のように das Auto meines Vaters の代わりに使うのはとても一般的ですが、フォーマルな文章では避けたほうが無難です。

3. 形容詞の格変化(Adjektivdeklination)

B1で多くの学習者がつまずく最大のポイントです。形容詞の語尾は、格・性・そして冠詞の有無(どんな種類の冠詞か)によって変化します。パターンは3種類あります。

定冠詞(der/die/das…)の後

定冠詞がすでに格と性をはっきり示しているので、形容詞語尾は「弱変化」となり、ほぼ-eか-enになります。

格 男性 女性 中性 複数
1格 der neue Mann die neue Frau das neue Auto die neuen Autos
4格 den neuen Mann die neue Frau das neue Auto die neuen Autos
3格 dem neuen Mann der neuen Frau dem neuen Auto den neuen Autos
2格 des neuen Mannes der neuen Frau des neuen Autos der neuen Autos

不定冠詞(ein/eine/ein…)・所有冠詞の後

einは常に性を明確に示すわけではないため(例えばeinは男性にも中性にもなりうる)、形容詞がその役割を一部引き受けます。これが「混合変化」です。

格 男性 女性 中性
1格 ein neuer Mann eine neue Frau ein neues Auto
4格 einen neuen Mann eine neue Frau ein neues Auto
3格 einem neuen Mann einer neuen Frau einem neuen Auto
2格 eines neuen Mannes einer neuen Frau eines neuen Autos

冠詞がまったくない場合

形容詞が格・性の情報をすべて単独で担うため、「強変化」となり、基本的に定冠詞と同じ語尾になります。

格 男性 女性 中性 複数
1格 guter Wein gute Milch gutes Brot gute Freunde
4格 guten Wein gute Milch gutes Brot gute Freunde
3格 mit gutem Wein mit guter Milch mit gutem Brot mit guten Freunden
2格 guten Weines guter Milch guten Brotes guter Freunde

複数形の列は初学者が思う以上に重要です。冠詞なしの複数形は非常によく使われます(Ich habe gute Freunde=良い友人がいます、mit guten Freunden=良い友人たちと)。また、男性・中性の2格は-esではなく-enになる点にも注意してください。強変化が定冠詞と一致しない唯一の箇所です。

例文:

  • Ich trinke gern kalten Kaffee.(冠詞なし — 強変化:kalten)
  • Ich trinke den kalten Kaffee.(定冠詞 — 弱変化:kalten)
  • Sie hat einen kleinen Hund.(不定冠詞 — 混合変化:kleinen)
  • Wir wohnen in einem alten Haus.(不定冠詞・3格 — 混合変化:alten)

このトピックは表を暗記するよりも、大量のドイツ語に触れることで自然に感覚がつかめてきます。焦らず、多読・多聴を続けましょう。

4. 関係文(Relativsätze)

関係文は名詞についての追加情報を加える節で、関係代名詞によって導かれます。関係代名詞は先行詞の性・数に一致しますが、格は関係文の中での役割によって決まります。

関係代名詞は定冠詞とほぼ同じ形ですが、3格複数と2格の2箇所だけ例外があります:

格 男性 女性 中性 複数
1格 der die das die
4格 den die das die
3格 dem der dem denen
2格 dessen deren dessen deren

関係文でも動詞は文末に来ます(従属節の一種だからです)。

例文:

  • Der Mann, der dort steht, ist mein Onkel.(あそこに立っている男性は私のおじです。)— 1格、関係文内で主語
  • Das Buch, das ich lese, ist spannend.(私が読んでいる本は面白いです。)— 4格、関係文内で目的語
  • Die Frau, der ich geholfen habe, ist Ärztin.(私が手伝った女性は医師です。)— 3格、helfenが3格をとるため
  • Der Autor, dessen Buch ich lese, lebt in Berlin.(私が読んでいる本の著者はベルリンに住んでいます。)— 2格、所有を表す
  • Die Kinder, denen ich das Spielzeug gegeben habe, waren glücklich.(私がおもちゃをあげた子供たちは喜んでいました。)

5. 接続法第二式(Konjunktiv II)— 仮定・願望・丁寧表現

Konjunktiv IIは、非現実的・仮定的・丁寧な依頼・願望を表すときに使います。英語の「would/could/should」に近い働きです。

würde構文(実際に最もよく使われる形)

ほとんどの動詞では、würde(活用形)+文末の不定形、という形にするだけで作れます:

代名詞 würde
ich würde
du würdest
er/sie/es würde
wir würden
ihr würdet
sie/Sie würden
  • Ich würde gern nach Japan reisen.(私は日本に旅行したいです。)
  • Was würdest du tun?(君ならどうする?)
  • Wir würden das Auto kaufen, aber es ist zu teuer.(私たちはその車を買いたいのですが、高すぎます。)

独自のKonjunktiv II形を持つ動詞(würdeを使わない)

非常によく使われる動詞は、würde構文ではなく独自の形を使います:

不定形 Konjunktiv II
sein ich wäre(私は〜であるだろう)
haben ich hätte(私は〜を持っているだろう)
können ich könnte(私は〜できるだろう)
müssen ich müsste(私は〜しなければならないだろう)
werden ich würde
mögen ich möchte(私は〜したい)

例文:

  • Wenn ich Zeit hätte, würde ich dich besuchen.(時間があれば、君を訪ねるのですが。)
  • Ich wäre froh, wenn du kommen könntest.(君が来られたら嬉しいのですが。)
  • Könntest du mir bitte helfen?(手伝っていただけますか?— 丁寧な依頼)
  • An deiner Stelle würde ich das nicht machen.(私が君の立場なら、それはしません。)

願望

  • Ich wünschte, ich hätte mehr Zeit.(もっと時間があればいいのに。)
  • Wenn ich nur reicher wäre!(もっとお金持ちだったらなあ!)
  • Wenn du nur früher gekommen wärst!(もっと早く来てくれていたら良かったのに!)

6. 受動態(Passiv)

受動態は、動作の主体よりも動作そのものに焦点を当てる表現です。werden(活用形)+文末の過去分詞で作ります。

動作受動態(Vorgangspassiv)— 最も一般的

時制 作り方 例
現在 werden + 過去分詞 Das Auto wird repariert.(その車は修理されています。)
過去 wurde + 過去分詞 Das Auto wurde repariert.(その車は修理されました。)
現在完了 ist/sind ... worden Das Auto ist repariert worden.(その車は修理されました。)

例文:

  • Das Haus wird jeden Tag geputzt.(その家は毎日掃除されています。)
  • Die E-Mail wurde gestern geschickt.(そのメールは昨日送られました。)
  • Hier wird Deutsch gesprochen.(ここではドイツ語が話されています。)

動作主(「誰によって」)を示したい場合は、人にはvon + 3格、原因・手段にはdurch + 4格を使います:

  • Das Bild wurde von einem berühmten Maler gemalt.(その絵は有名な画家によって描かれました。)
  • Das Dorf wurde durch den Sturm zerstört.(その村は嵐によって破壊されました。)

状態受動態(Zustandspassiv)

sein+過去分詞で作られ、動作そのものではなく、その結果としての状態を表します:

  • Die Tür ist geöffnet.(ドアは開いている状態です。)
  • 比較:Die Tür wird geöffnet.(ドアは今まさに開けられている最中です。)

7. 未来形(Futur I)

現在形+時を表す表現でも未来を表せますが(Ich fahre morgen nach Berlin)、Futur Iはより明確に未来を示すときや、推測・予測に使われます:werden(活用形)+文末の不定形。

  • Ich werde morgen anrufen.(明日電話します。)
  • Es wird bald regnen.(もうすぐ雨が降るでしょう。)
  • Er wird wohl krank sein.(彼はおそらく病気なのでしょう。— werdenは推測・可能性を表すのにも使われる)

8. 間接疑問文(indirekte Fragesätze)

疑問文を別の文に組み込むとき、他の従属節と同様に動詞は文末に移動します。

  • W疑問文の場合 → 疑問詞をそのまま残す:Ich weiß nicht, wann der Film anfängt.(映画がいつ始まるか分かりません。)
  • Yes/No疑問文の場合 → ob(「〜かどうか」)を使う:Ich frage mich, ob es morgen regnet.(明日雨が降るかどうか気になります。)
  • Kannst du mir sagen, wo der Bahnhof ist?(駅がどこにあるか教えてもらえますか?)

9. je ... desto(〜すればするほど…)

呼応表現で、両方の節とも動詞後置の語順になります:

  • Je mehr du übst, desto besser wirst du.(練習すればするほど、君は上達します。)
  • Je früher wir gehen, desto weniger Verkehr gibt es.(早く出発すればするほど、交通量は少なくなります。)
  • Je länger ich warte, desto ungeduldiger werde ich.(待てば待つほど、私はイライラしてきます。)

10. 弱変化名詞(n-Deklination)

少数ですが重要な男性名詞のグループで、1格単数以外のすべての格で語尾に-nまたは-enがつきます。主に人・動物を表す-eで終わる名詞と、それ以外のいくつかの例外で構成されます。

よくある例:der Junge, der Mensch, der Student, der Kunde, der Kollege, der Herr, der Name, der Praktikant

格 単数 複数
1格 der Student die Studenten
4格 den Studenten die Studenten
3格 dem Studenten den Studenten
2格 des Studenten der Studenten

例文:

  • Ich sehe den Studenten.(私はその学生を見ています。)— "den Student"ではない点に注意
  • Sie spricht mit dem Kollegen.(彼女は同僚と話しています。)
  • Das ist das Auto meines Kollegen.(それは私の同僚の車です。)
  • 特殊例 — der Name:2格は des Namens(例外の中の例外として-nsがつく)

11. zu不定詞句(Infinitivsätze mit zu)

zu不定詞句を使うと、独立した従属節を作らずに2つ目の動作をつなげられます。不定形はzuを伴って文末に来ます。

  • um ... zu(〜するために):Ich lerne Deutsch, um in Deutschland zu studieren.(私はドイツで勉強するためにドイツ語を学んでいます。)
  • ohne ... zu(〜することなしに):Er verließ das Haus, ohne sich zu verabschieden.(彼は挨拶をせずに家を出ました。)
  • statt ... zu(〜する代わりに):Sie las ein Buch, statt fernzusehen.(彼女はテレビを見る代わりに本を読みました。)
  • 特定の動詞・表現の後のzu + 不定形:Ich habe vergessen, dich anzurufen.(君に電話するのを忘れていました。)— Es ist wichtig, viel zu üben.(たくさん練習することが大切です。)

分離動詞の場合、zuは前つづりと語幹の間に入ります:anzurufen, aufzustehen。

12. 二部構成の接続詞(zweiteilige Konjunktionen)

対になった接続詞で、und/oderだけよりも意味に幅を持たせられます:

  • nicht nur ... sondern auch(〜だけでなく…も):Sie spricht nicht nur Deutsch, sondern auch Französisch.
  • entweder ... oder(〜か、または…):Wir fahren entweder mit dem Auto oder mit dem Zug.
  • sowohl ... als auch(〜も…も両方):Sowohl mein Bruder als auch meine Schwester wohnen in Berlin.
  • weder ... noch(〜も…もない):Ich habe weder Zeit noch Geld.

13. 前置詞と結びつく動詞(Präpositionalobjekte)

多くのドイツ語動詞は、特定の前置詞(英語と必ずしも一致しない)と特定の格をセットで持ちます。これらは動詞ごとにセットで覚える必要があります。

よくある組み合わせ:warten auf + 4格(〜を待つ), sich freuen auf/über + 4格(〜を楽しみにする/〜を喜ぶ), denken an + 4格(〜のことを考える), sich interessieren für + 4格(〜に興味がある), Angst haben vor + 3格(〜が怖い), träumen von + 3格(〜を夢見る)

  • Ich warte auf den Bus.(私はバスを待っています。)
  • Sie freut sich auf die Ferien.(彼女は休暇を楽しみにしています。)
  • Er denkt oft an seine Familie.(彼はよく家族のことを考えます。)

da-・wo-の融合形

これらの動詞で「もの」(人ではなく)を指す場合、通常の代名詞の代わりに、前置詞とda(r)-(「それ」に相当)またはwo(r)-(疑問文の「何」に相当)を融合させた形を使います:

  • Ich warte auf den Bus. → Ich warte darauf.(私はそれを待っています。)
  • Worauf wartest du?(君は何を待っているの?)
  • Sie freut sich darüber.(彼女はそれを喜んでいます。)

(人を指す場合は普通に前置詞+代名詞を使います:Ich warte auf ihn.=私は彼を待っています。)

14. 時間を表す接続詞:als と wenn、その他(Temporalsätze)

  • als — 過去の一回限りの出来事:Als ich acht Jahre alt war, zog ich nach Berlin.(私は8歳のとき、ベルリンに引っ越しました。)
  • wenn — 過去の繰り返しの出来事、または現在・未来のあらゆる時点:Wenn ich Zeit hatte, besuchte ich meine Großeltern.(時間があるときはいつも祖父母を訪ねていました。)/Wenn ich nach Hause komme, koche ich.(家に帰ったら料理をします。)
  • während(〜している間):Während er kochte, deckte sie den Tisch.(彼が料理をしている間、彼女はテーブルを準備しました。)
  • bevor(〜する前に):Ich rufe dich an, bevor ich losfahre.(出発する前に電話します。)
  • nachdem(〜した後に — 通常は下記のPlusquamperfektとセットで使う):Nachdem er gegessen hatte, ging er spazieren.(彼は食事をした後、散歩に行きました。)
  • bis(〜まで):Wir warten hier, bis der Bus kommt.(バスが来るまでここで待ちます。)

日本語の「〜たとき」は過去の一回・複数回どちらにも使えますが、ドイツ語ではals(一回限り)とwenn(繰り返し・現在未来)をはっきり使い分ける必要がある点に注意しましょう。

15. 過去完了形(Plusquamperfekt)

過去のある出来事よりもさらに前に起きた出来事を表すときに使います。nachdemとセットでよく使われます。haben/seinのPräteritum+過去分詞で作ります。

  • Nachdem ich gegessen hatte, ging ich ins Bett.(食事をした後、私は寝ました。)
  • Sie war schon gegangen, als ich ankam.(私が着いたとき、彼女はすでに出発していました。)
  • Wir hatten das Buch schon gelesen, bevor der Film herauskam.(映画が公開される前に、私たちはすでにその本を読んでいました。)

B2中上級

1. 接続法第一式(Konjunktiv I)と間接話法(indirekte Rede)

Konjunktiv Iは主にフォーマルな書き言葉(ニュース報道、公式声明など)で使われ、誰かの発言を「本当かどうかに立場を取らずに」報告するための形です。「彼は〜だと言った」という中立的な伝聞と、それを事実として断定することの違いを表します。

作り方

語幹+語尾(主に-e, -est, -e, -en, -et, -en)で作ります。実際に一番よく使うのは3人称単数の形です:

不定形 Konjunktiv I(er/sie/es)
sein er sei
haben er habe
können er könne
kommen er komme
sprechen er spreche
machen er mache

例文:

  • Der Minister sagte, er sei nicht verantwortlich.(大臣は自分に責任はないと述べました。)
  • Sie behauptet, sie habe das Geld nicht gestohlen.(彼女はそのお金を盗んでいないと主張しています。)
  • Er sagte, er komme morgen.(彼は明日来ると言いました。)

Konjunktiv Iが直説法と同じ形になる場合

規則動詞や複数形でよくあることですが、Konjunktiv Iの形が現在形(直説法)と同じになってしまう場合、「伝聞である」という合図をはっきりさせるためにKonjunktiv IIまたはwürdeを代わりに使います:

  • Sie sagten, sie hätten keine Zeit.("sie haben"だと直説法と区別できないため)— (彼らは時間がないと言いました。)
  • Er sagte, er würde kommen.(一部の文脈で曖昧になるer kommeの代わりに)

日常会話での代用

話し言葉・カジュアルな場面では、単にdass+直説法を使うか、dass自体を省略して普通の語順にすることがほとんどです:

  • Er sagt, dass er müde ist. / Er sagt, er ist müde.(彼は疲れていると言っています。)

Konjunktiv Iは、会話で自分から使う機会は少なく、B2レベルでは主に新聞記事などを読んで理解するための力として重要です。

2. 拡大分詞句(erweiterte Partizipialattribute)

フォーマルな書き言葉・報道文の特徴的な構造です。関係文を使う代わりに、分詞を中心にした句をまるごと名詞の前に圧縮して置きます。

  • 関係文バージョン:Der Mann, der am Fenster steht, ist mein Vater.(窓のそばに立っている男性は私の父です。)
  • 拡大分詞句バージョン:Der am Fenster stehende Mann ist mein Vater.(窓のそばに立っている男性は私の父です。)

分詞(ここではstehend、現在分詞=「〜している」)は通常の形容詞語尾をとり、名詞の直前に置かれ、それが支配するすべての要素は冠詞と名詞の間に押し込まれます。

さらに例:

  • Die von der Regierung geplanten Reformen sind umstritten.(政府によって計画された改革は物議を醸しています。)— 元の文:die Reformen, die von der Regierung geplant werden
  • Ein 1990 gebautes Haus steht hier.(1990年に建てられた家がここにあります。)

この構造は新聞記事・学術文書・公文書で非常によく見られます。自分で会話中に使う機会は少なくても、スムーズに読めるようになっておくことが大切です。

3. 名詞化(Nominalisierung)

ドイツ語は特にフォーマル・書き言葉のレジスターにおいて、動詞や形容詞を名詞に変えることを好みます。これは「話し言葉的スタイル」から「書き言葉的・フォーマルなスタイル」への移行を示す重要な特徴です。

動詞→名詞

不定形はそのまま中性名詞として使えます:

  • das Lesen(読むこと), das Schwimmen(泳ぐこと), beim Essen(食事をしているときに)
  • Rauchen ist hier verboten.(ここでは喫煙が禁止されています。)

その他のパターンでは、動詞を-ung名詞に変えます:

  • entwickeln → die Entwicklung(開発), untersuchen → die Untersuchung(調査), lösen → die Lösung(解決)

形容詞→名詞

  • gesund → die Gesundheit(健康), frei → die Freiheit(自由), schön → die Schönheit(美しさ)

なぜ重要か

フォーマルな文章では、動詞中心の文を名詞中心の文に組み替えることがよくあります:

  • 話し言葉的:Weil die Firma expandierte, mussten neue Mitarbeiter eingestellt werden.(会社が拡大したので、新しい従業員を雇う必要がありました。)
  • 書き言葉的・名詞化スタイル:Aufgrund der Expansion der Firma mussten neue Mitarbeiter eingestellt werden.(会社の拡大のため、新しい従業員を雇う必要がありました。)

この切り替えを理解し、使いこなせることが、B1とB2の書き言葉の大きな差になります。

4. 高度な接続詞(Konnektoren)

B2レベルのドイツ語では、原因・対比・結果といった論理関係を正確に示す接続詞が多用されます。多くは文の2番目の節の先頭(位置1)に置かれ、動詞は2番目の位置に来ます。これは動詞を文末に送る従属接続詞とは違う点に注意してください。

接続詞 機能 例文
deshalb / deswegen / daher だから Es regnete stark, deshalb blieben wir zu Hause.
trotzdem それにもかかわらず Er war krank, trotzdem ging er zur Arbeit.
außerdem その上 Die Wohnung ist teuer, außerdem ist sie klein.
dennoch それでもなお Sie hatte wenig Zeit, dennoch half sie mir.
allerdings しかしながら Das Restaurant ist gut, allerdings etwas laut.
folglich 結果として Er hat nicht gelernt, folglich ist er durchgefallen.

すでに学んだ従属接続詞と比較してみましょう:obwohl(〜だけれども)は動詞を文末に送ります — Obwohl er krank war, ging er zur Arbeit. — 一方trotzdemは自分の節の中で通常の動詞第二位を保ちます。どちらも同じ対比の意味を表しますが、使い分けはスタイル・構造の違いです。

5. 話法の助動詞を使った受動態(Passiv mit Modalverben)

Passivと話法の助動詞の組み合わせは、B2レベルの文章(指示書、規則、フォーマルな説明)で非常によく見られます:

話法の助動詞(活用形)+過去分詞+werden(不定形、一番最後)

  • Das Formular muss ausgefüllt werden.(この書類には記入する必要があります。)
  • Die Aufgabe kann leicht gelöst werden.(この課題は簡単に解決できます。)
  • Der Vertrag sollte unterschrieben werden.(この契約書には署名すべきです。)

6. 接続法第二式の過去形(Konjunktiv II der Vergangenheit)

過去について「もし〜だったら…だっただろう」という非現実的・仮定的な条件を表すときは、haben/seinのKonjunktiv II形+過去分詞を使います:

  • Wenn ich Zeit gehabt hätte, wäre ich gekommen.(時間があったら、来ていたのですが。)
  • Ich hätte das nicht gesagt.(私ならそれは言わなかったでしょう。)
  • Er wäre nicht spät gekommen, wenn er früher losgefahren wäre.(彼がもっと早く出発していれば、遅刻しなかったでしょう。)

現在のKonjunktiv II(Ich würde das nicht sagen=私ならそれは言わないでしょう〔今〕)との違いに注意。過去形は必ずhätte/wäreを使い、würdeは使いません。

C1上級

1. 心態詞(Modalpartikeln)

小さくて翻訳しにくいこれらの単語は、話し言葉のドイツ語にニュアンスや態度を大きく加えます。これを自然に使いこなせるかどうかは、ネイティブに近い流暢さの明確な指標の一つです。文の文字通りの意味は変えず、感情的な色合いだけを変えます。

日本語にも「ね」「よ」「さ」「じゃん」のような終助詞があり、話し手の態度や確認・強調のニュアンスを加えますが、これがドイツ語の心態詞の働きに近いイメージです。ただし置く位置や使う場面は全く異なるので、丸暗記ではなく実際の文脈の中で身につける必要があります。

心態詞 加わるニュアンス
doch 反論・念押し・安心させる
ja 共通認識・当然のこと・軽い驚き
mal 依頼をやわらげる、カジュアルにする
eben / halt あきらめ、「そういうものだ」
denn 質問に純粋な好奇心を加え、やわらげる
eigentlich 「ところで」「実は」、話題を少しずらす

例文:

  • Das ist doch klar!(それは当たり前でしょう!— 念押し、軽いいらだちも含む)
  • Komm doch mit!(一緒に来なよ!— 誘う、単なる命令形より温かい響き)
  • Das ist ja interessant.(へえ、それは面白いね。— 気づいたことへの反応)
  • Gib mir mal das Buch.(ちょっとその本取って。— カジュアルで、単なる命令よりやわらかい)
  • Was machst du denn hier?(ここで何してるの?— 純粋な好奇心、責めているわけではない)
  • Das ist eben so.(そういうものだよ。— あきらめを含んだ受け入れ)
  • Was hast du eigentlich studiert?(ところで、何を専攻していたの?)

心態詞なしの同じ文は、平板または少しぶっきらぼうに聞こえることがあります。Komm mit!は単なる命令ですが、Komm doch mal mit!は誘うような温かい響きになります。ネイティブは会話でこれらを頻繁に使うので、使いすぎたり位置を間違えたりすることが、非ネイティブだとすぐ分かってしまうポイントの一つです。英語からの直訳ではなく、実際の会話の中で感覚をつかむことが重要です。

2. 接続法第一式(発展)(Konjunktiv I)— 全人称と細かいニュアンス

C1レベルでは、Konjunktiv Iを3人称単数だけでなく、学術的な文章・報道・長い伝聞の中で全人称にわたってより正確に使えるようになる必要があります。

代名詞 sein haben können
ich sei habe* könne
du sei(e)st habest könnest
er/sie/es sei habe könne
wir seien haben* können*
ihr seiet habet könnet
sie/Sie seien haben* können*

*印の形は直説法と同一のため、B2で学んだようにKonjunktiv IIまたはwürdeで代用します。ich habeもこれに含まれる点に注意してください。habenで明確に区別できるのはer/sie/esの形だけであり、これが伝聞の大部分で3人称単数が使われる理由でもあります。

例文:

  • Der Sprecher erklärte, die Verhandlungen seien gescheitert.(広報担当者は、交渉が決裂したと説明しました。)
  • Die Studie zeigt, dass die Ergebnisse nicht eindeutig seien.(その研究は、結果が明確ではないことを示しています。)
  • Man fragte ihn, ob er das Dokument gelesen habe.(彼はその書類を読んだかどうか尋ねられました。)
  • Kritiker meinen, die Reform könne negative Folgen haben.(批評家たちは、その改革が悪影響をもたらす可能性があると考えています。)

このレベルでは、インタビューや演説をまとめた新聞記事などに見られる、複数の節にまたがる長い伝聞の連鎖の中でKonjunktiv Iを認識できることも求められます。

3. 複雑な文構造:拡大版の枠構造(Satzklammer)

ドイツ語の「文の枠構造」(動詞第二位+文末の要素が全体を挟み込む構造)は、複数の従属節が入れ子になることで、C1レベルでは本格的に複雑になります。これを正しく読み解き、作れるようになることは、フォーマルな文章・学術的なドイツ語の中心的なスキルです。

例(1段階の入れ子): Ich glaube, dass er, obwohl er wenig Zeit hatte, das Projekt rechtzeitig fertigstellen konnte. (彼は時間があまりなかったにもかかわらず、プロジェクトを時間通りに完成させることができたと私は思います。)

例(2段階の入れ子): Der Bericht, den die Kommission veröffentlichte, nachdem die Untersuchung abgeschlossen worden war, wurde von vielen Experten kritisiert. (調査が完了した後に委員会が公表した報告書は、多くの専門家から批判されました。)

例(名詞化+受動態+関係文の組み合わせ): Die von der Regierung angekündigten Maßnahmen, deren Umsetzung mehrere Jahre dauern wird, sollen die Wirtschaft stabilisieren. (政府が発表した施策は、その実施に数年かかる見込みですが、経済の安定化を目指すものです。)

読解のコツ: まず一番外側の節の定動詞(活用している動詞)を見つけ、それを文全体のアンカーとします。そこから同じ要領で、内側の節を一つずつ、外から中へ読み解いていきます。英語のように左から右へ単語を順番に訳そうとすると、ドイツ語では途中で破綻します。ドイツ語の構文は、線形の語順ではなく「動詞の位置」を手がかりに読み解くように設計されているのです。

4. 名詞文体(Nominalstil)と動詞文体(Verbalstil)の使い分け

C1レベルの文章力には、名詞文体(名詞中心・フォーマル・官僚的/学術的)と動詞文体(動詞中心・自然・会話的)を自在に切り替える力が求められます。どちらが適切かは文脈次第です。

動詞文体(話し言葉・自然) 名詞文体(フォーマル・書き言葉)
Weil die Preise steigen, protestieren viele Bürger. Aufgrund des Preisanstiegs protestieren viele Bürger.
Nachdem die Firma expandiert hatte, stellte sie neue Mitarbeiter ein. Nach der Expansion der Firma wurden neue Mitarbeiter eingestellt.
Man diskutiert, ob das Gesetz geändert werden soll. Es wird über eine mögliche Gesetzesänderung diskutiert.

使い分けの目安:

  • 名詞文体を使う場面:レポート、エッセイ、公式な書簡、学術的な文章
  • 動詞文体を使う場面:会話、個人的な語り、日常的な文章のほとんど
  • カジュアルな場面で名詞文体を多用しすぎると、堅苦しく官僚的に聞こえます。ネイティブは文脈に応じて両者を自然に切り替えており、どの文体がその文章にふさわしいかを見極める力がC1レベルの習熟の一部です。

5. 接続法第二式(Konjunktiv II):丁寧表現・仮定・非現実のフルレンジ

B1・B2で学んだ基本を超えて、C1では時制を重ねたより微妙な仮定・反実仮想の表現を扱います。

例文:

  • Hätte ich das gewusst, hätte ich anders gehandelt.(それを知っていたら、違う行動をとっていたでしょう。)— 注意:wennを省略し、代わりに動詞を文頭に置く倒置形(より文学的・フォーマルなスタイルの特徴)
  • Es wäre besser gewesen, wenn du früher angerufen hättest.(もっと早く電話してくれていたら良かったのですが。)
  • An seiner Stelle hätte ich das Angebot abgelehnt.(彼の立場だったら、私はその申し出を断っていたでしょう。)
  • Beinahe wäre ich zu spät gekommen.(もう少しで遅刻するところでした。)— 危機一髪だったことを表すKonjunktiv II

6. 前置詞と結びつく動詞のニュアンス・慣用表現(Verben mit Präpositionen; feste Wendungen)

C1レベルでは、前置詞とセットになった動詞や慣用的な言い回しを正確に使いこなすことが、「文法的には正しいが外国人っぽい」響きから脱却するために不可欠です。

例文:

  • Das hängt davon ab, wie viel Zeit wir haben.(それは私たちにどれくらい時間があるかによります。)— abhängen von
  • Er hat sich mit der Situation abgefunden.(彼はその状況を受け入れました。)— sich abfinden mit
  • Sie setzt sich für Umweltschutz ein.(彼女は環境保護のために尽力しています。)— sich einsetzen für
  • Das Projekt steht und fällt mit der Finanzierung.(このプロジェクトの成否は資金調達にかかっています。)— 慣用表現

7. 文体(レジスター、Sprachregister):フォーマル・ニュートラル・カジュアルの見分け方

C1レベルの流暢さには、同じ内容でも文脈に応じて全く異なる言い方をする「レジスター(文体・丁寧さの階層)」を認識し、使い分ける力が含まれます。日本語の敬語(尊敬語・謙譲語・丁寧語・タメ口)の階層を思い浮かべると、この感覚を掴みやすいでしょう。

レジスター 例文 使用場面
フォーマル・書き言葉 Es wird gebeten, die Unterlagen fristgerecht einzureichen. 公式な手紙
ニュートラル Bitte reichen Sie die Unterlagen rechtzeitig ein. 日常的なビジネス場面
カジュアル Schick mir die Sachen einfach rechtzeitig, ja? 気軽な会話

さらにレジスター別の例:

  • フォーマル:Wir bedauern, Ihnen mitteilen zu müssen, dass...(〜であることをお伝えしなければならず、大変申し訳ございません。)
  • ニュートラル:Leider müssen wir Ihnen sagen, dass...(残念ながら〜であることをお伝えしなければなりません。)
  • カジュアル:Tut mir leid, aber...(ごめんね、でも〜。)

これらのレジスターを見分け、不適切に混ぜないこと(例えば、フォーマルな手紙の中に心態詞のmalを使うと違和感を与えます)は、ドイツ語をネイティブ並みに使いこなすための最後の大きなステップの一つです。

おわりに

このガイドは、A1からC1までのドイツ語文法の骨格を網羅しています。ここから先の上達は、主に多くのドイツ語に触れることにかかっています。読む、聞く、そして実際に使ってみることを通じて、上で説明したパターンが「意識して考えるルール」から「自然に体が覚えている感覚」へと変わっていきます。文法の表は正確さへの道しるべであり、実際のインプットとアウトプットの量が流暢さへの道を作ります。

学んだことを実践しよう:スクリプト付きで聴く →

ページの先頭へ ↑